口ゴボを改善:歯茎からの後退を目指す矯正治療

口ゴボ矯正治療症例3 側貌

口元が突出しているいわゆる「口ゴボ」の治療は矯正歯科治療では、外科矯正のセットバック手術と同程度まで口元を後退させることが現在では可能です。口ゴボの矯正治療は基本知識にして高度な技術が必要で必ずワイヤーとアンカースクリューを併用して後退させます。当院では、歯槽骨から口元を後退させる技術を有しているので、当然ながら好みに合わせ後退の度合いを調整する技術も有しています。つまり、口元の突出(口ゴボ)に悩んでいる患者さんに対して小臼歯抜歯と歯科矯正用アンカースクリューを併用した矯正治療で、もうそろそろ後退させるのを止めたい場合には前もって言ってくれれば好みを反映した調整もある程度できます。

注意喚起しておきたいのはインビザラインなどのマウスピース矯正では口ゴボは綺麗に治らないということです。インビザラインの性質上、歯根を平行に移動させるのが難しく、移動の多くを傾斜移動で動かしていきます。もっと詳しくインビザラインについて知りたい方はこちらの記事を参考にしてください。

セットバック手術と異なり、矯正歯科で治す場合には時間はかかりますが、患者さんの好みを聞きながら口元の後退量を調整することが可能です。口ゴボの患者さんは口元が出ているため、かなり下げることを希望します。しかし、下げれば下げるほど唇は下がりますが、歯も口の中に隠れてしまって見えなくなってきますので注意してください。

この口ゴボの矯正治療に加えてガミースマイルなどの治療を加えていけばさまざまな顔の美容とスマイルのお悩みを治療できます。例えば口ゴボを治すだけでなく、ガミースマイル、面長、人中の長さまで改善することも可能です。

以下に当院で行った典型的な口ゴボ単独を主訴として来院された患者さんの治療症例を提示します。これも小臼歯抜歯と歯科矯正用アンカースクリューを併用した矯正治療です。

口ゴボの実際の矯正治療例 口ゴボ治療症例1

【術前】

口ゴボ治療術前正面
口ゴボ治療術前スマイル
口ゴボ治療術前横顔

上下顎とも裏側矯正装置で治療を希望され、歯科矯正用アンカースクリューを併用することで口元を後退させた症例です。一般に口ゴボの患者さんの特徴は横顔から見た時に上唇がドーム状に前に湾曲しているため口元のもっこり感があります。また、下唇とオトガイの間のカーブも直線的でS字状ではありません。

【術後】

口ゴボ治療術後正面
口ゴボ治療術後スマイル
口ゴボ治療術前横顔
口ゴボ矯正治療術前術後重ね合わせ

30代の患者さんでした。表側矯正装置を用いて小臼歯抜歯を行い、歯科矯正用アンカースクリューを併用した矯正治療で口元を患者さんの好みの程度まで後退させることができました。口元の突出感の改善とともに、唇が薄くなっていることに注意してください。基本的に、歯を前に出すと唇はめくれて厚くなり、歯を後退させると唇は薄くなります。上唇は-5mm後退し、下唇も-6mm後退しました。上顎の前歯は-8mm、下顎の前歯も-8mm後退しました。鼻の真下(鼻下点)も後退しておりルフォーⅠ型やセットバック手術の後退と同様の効果を得ながら鼻の変形が起こらないことが確認できます。上下顎とも唇側、舌側の歯槽骨から変化していることが分かります。また、治療中の慎重なトルクコントロールにより適切な歯軸傾斜を維持しながら上顎前歯の平行移動(歯体移動)が歯槽骨とともに後退できていることに注意されたい。

本症例では歯科矯正用アンカースクリューを併用することで歯槽骨や歯茎からセットバック手術と遜色ない程度まで下げることが可能であることが分かると思います。以下に患者さんの好みの程度に合わせてほどほどに後退させることもできることを証明いたします。

自分の好みに合わせて前歯の後退を抑えた口ゴボの矯正歯科治療 口ゴボ治療症例2

口ゴボ矯正歯科治療

20代の患者さんです。患者さんの好みで程よく口元を後退させたと思われる男性の矯正治療症例です。もうそろそろ口元の後退はいいかなと思ったときに伝えてくれれば、奥歯を前に移動させることで抜歯スペースを詰めて閉じます。本症例は上下裏側装置を用いて小臼歯抜歯とアンカースクリューを併用した矯正治療を行って上下とも裏側矯正にて口ゴボを治療しました。治療後は口元のもっこり感がなくなり、口元の突出からくるいわゆる”タラコ唇”も解消され、唇が薄くなって”キューピッドボウ”が現れていることが分かります。口ゴボが解消されることで唇が閉じやすくなり、また顔の写真の写りも変化して患者さんは大変満足されていました。

矯正治療のリスク:歯磨きがしにくくなる、歯根吸収が起きうる、裏側装置は舌に与えるため発音に影響が出る、食事に制限が入る、アンカースクリューが脱離する可能性等 詳しくは https://facetalk.jp/risk-orthodontic-tx/ 
費用:上下裏側装置 平均約140万円 詳しくはhttps://facetalk.jp/treatment-costs/
期間:2年程度

口ゴボ治療症例3

アンカースクリューを併用した叢生(歯の凸凹)を伴う口ゴボの矯正治療症例です。

口ゴボ矯正治療症例3 正面
口ゴボ矯正治療症例3 正面
口ゴボ矯正治療症例3 側貌
口ゴボ矯正治療症例3 側貌
口ゴボ矯正治療症例3 スマイル
口ゴボ矯正治療症例3 スマイル

【術前】

20代の患者さんです。矯正治療前の顔は口元が突出し唇が内側からめくれて厚く見えます。横顔は顎が後退し口元の突出があるためEラインがはっきりしていません。スマイルの様子は歯並びが悪く凸凹があり前に突出しているため歯が大きく見えます。

【術後】

上下裏側矯正装置を用い小臼歯抜歯をしてアンカースクリューを併用し口ゴボを歯槽骨から後退させ顔を伸ばさないようにしました。矯正治療を終えたときの顔は正面は歯茎から後退させたことにより人中を伸ばすことなく口をリラックスして閉じれるようになっていることがわかります。横顔は下唇とオトガイの間にくぼみができて口ゴボが改善し顎(オトガイ)がくっきりと出たことがわかります。スマイルは歯並びだけでなく歯が前に出ていたのが後退し自然なスマイルになっていると思います。

下顔面の間延び感に関してアンカースクリューを用いて治療したことで伸ばすことなくむしろ短くなる傾向が出ていることもわかります。

矯正治療のリスク:歯磨きがしにくくなる、歯根吸収が起きうる、裏側矯正装置は舌に当たるため発音に影響が出る、食事に制限が入る、アンカースクリューが脱離する可能性等 詳しくは https://facetalk.jp/risk-orthodontic-tx/ 
費用:上裏側下表側(ハーフリンガル)装置 平均約140万円 詳しくはhttps://facetalk.jp/treatment-costs/
期間:3年程度

※矯正歯科治療は公的健康保険適用外の自費(自由)診療です。

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