矯正歯科治療中の歯磨きの方法

矯正中の歯磨き

矯正歯科治療中の歯磨き

矯正歯科治療を始める際、必ず担当の先生から気をつけるよう言われることの一つに“歯みがき”があります。ワイヤーで矯正する場合には装置とワイヤーが歯の表面に24時間付いています。そのため装置の周囲やワイヤーの下などが汚れやすくなるのです。通常、矯正歯科医院では調整で来院されるごとに口腔内を衛生的に保つために歯科医院専用のブラシで汚れを落とします。下の写真はワイヤーの下や歯茎に近いところを磨きやすいように工夫された歯科医院専用ブラシです。

ちなみに当院ではこの専用ブラシは患者さん事に新品を使うようにしています。理由は単純にこういった歯科医院専用のブラシはディスポーザブルだからです。

歯科医院で行う矯正中のクリーニングも大切ですが、日々のセルフケアのほうが重要ですので、歯磨きの仕方や物がはさまったり汚れがつきやすいところは矯正歯科用の特殊なブラシや専用フロスを使用して、できるだけ清潔を維持しやすいよう指導します。

小児矯正中の口腔ケア

小児矯正で使用される取り外し式の装置でも口腔内の衛生に気を使うことは大事です。特に小児は成人と比べ歯みがきが悪いと虫歯になりやすく歯茎も腫れやすいので注意してください。歯茎がはれると腫れた歯茎の下にプラークや食べ物の残りが溜まりやすくなりさらに腫れますので口腔内衛生状態が悪循環に陥りやすいのです。小児の場合は仕上げ磨きなどの親御さんによるケアが必要となることがあります。お子様がまだ歯みがきができないうちは、できるだけ親が仕上げ磨きをしてあげるとお子様の口腔内が非常に清潔になりますのでぜひ仕上げ磨きをしてあげてください。

このようなことから当院では小児患者さんには矯正治療中はブラシにフッ素を直接つけてクリーニングしたり、必要に応じてシーラントやフッ素などの予防処置をして大人になってもきれいな天然歯を残せるようケアしてあげています。できるだけ天然歯を残していつまでも自分の歯を維持していただきたいと考えるからです。

矯正治療中の歯磨き法

ここでは矯正治療中に必要最小限の器具で最も効率よくきれいに磨くための5つの方法を紹介します。あまり器具が増えると毎日の手入れが大変になりますので、できるだけ少ない歯磨きグッズで効率の良い磨き方をしたほうが長い目で見ると口腔衛生を維持できることが多いのです。使う器具は主に2種類(通常の歯ブラシ、ワンタフトブラシ)です。咬む面や歯の裏側は装置がついていません(表側矯正装置の場合)ので普通の歯ブラシでいつもどおり磨いてください。歯磨きは一般に歯2本程度分の幅でブラシを小刻みに振動させて磨くと良いです。

特に裏側矯正の場合がそうですが、装置がついているためプラークがたまりやすく歯茎が腫れるリスクが高くなるため、殺菌剤「クロルヘキシジン(CHX)」入りのうがい薬を使いながら磨くことでより効果的に口腔内衛生状態が保つことができます。当院では成人患者さんに対しては調整ごとにCHX入りのうがい薬を歯科医院用のブラシに直接つけて特に歯茎に近いところを重点的にクリーニングを行っています。

矯正中の歯磨きの仕方 5ステップ

1. 手持ちの普通の歯ブラシまたは電動歯ブラシでワイヤーや装置の正面からブラシを当てて磨いてください。つまり、歯の表面に対して直角にブラシを当てます。

歯科矯正用アンカースクリューを使って矯正治療をしている場合は電動歯ブラシは脱離しやすいので普通の歯ブラシをお勧めしています。

 

2. 次に歯ブラシを歯の表面に対して斜め45度から当ててください。装置の上と下45度の両方が必要です。これで装置の上下のくぼみに溜まった汚れを落としていきます。

 

3. 次にワンタフトブラシという筆のようなブラシを使います。このブラシでワイヤーの真下を磨きます。

4. さらに、このワンタフトブラシで奥歯の装置と歯ぐきの間にもブラシを当ててきれいにします。この部位は食べ物が溜まりやすく口臭の原因となりやすい部位です。したがってこの部位にワンタフトブラシを使用するだけで口腔内の清潔度に雲泥の差がつきます。

5. フロスの習慣がある人はワイヤーが入るとフロスしたくてたまらないと思いますが、片方が薄くなっていてワイヤーの下をくぐらせやすくなっている特殊なフロスを使えばワイヤーが入っていてもフロスの使用が可能になります(表側矯正のみ)。矯正歯科専門医院なら手に入りますのでお勧めします。

 

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