矯正歯科で使われる顎間ゴムとかけ方

顎間ゴム・クラスⅢ

顎間ゴムとは

顎間ゴム(がっかんごむ)とは矯正歯科治療中に口の中で使う小さな医療用の輪ゴムのことです。顎間ゴムはほとんどの矯正歯科治療の患者さんで使われます。使用する目的はさまざまですが、主なものとして、上下の顎の咬み合わせのズレを是正するためや、上下の歯をよくかみ合わせるために使用します。

ワイヤーやブラケットなどの矯正装置を用いることで矯正していきますが、ワイヤーとブラケットだけでは動かせる範囲が限定されてしまいます、特に咬み合わせが上顎と下顎の間でずれている場合には顎間ゴムも使わなければならない場合が多いです。

顎間ゴムは常に使いましょう!

この小さなゴムは自分で口の中に使用するため、患者さんのご協力の上に成り立っています。指示通りに使用してくださる患者さんは良好な治療結果が得られやすく、治療期間も短いことが多いです。使用時間が一番大事で、歯を磨くとき以外一日24時間近く使用することによって生理的かつ機能的な力が持続されます。顎間ゴムを外している間に歯が戻っていき、それまで動かした移動量が水の泡になってしまいます。力がかかっていない時間を最小限にするために食事中も使用してください。顎間ゴムは食べても人間は消化できないため排泄されるだけです。

いつも顎間ゴムを持ち歩き、切れたり外れてなくしたときにすぐに新しいゴムに交換できるようにしてください。早く直したいからといってゴムを二重にかけるのはやめましょう。力が強すぎて歯根に障害が起き、逆に動きが遅くなったり、動いてほしい方向以外の方向に歯が動いてしまうリスクがあります。最初のうちは鏡を見ながら顎間ゴムをかけましょう。慣れてくると鏡を見ないでも即座にかけることが出来るようになります。もし、顎間ゴムがなくなったらすぐ矯正歯科医院に連絡して新しい顎間ゴムの袋をもらいましょう。

ゴムの太さ

顎間ゴムにはいろいろな大きさや太さがあります。

 
当たり前ですが、太い輪ゴムほど矯正力が強くなります。当クリニックでよく使用しているゴムは60gという非常に弱いゴムで、そうめんのような細さです。こんな細いゴムで動くのかと不思議に思う方もいると思いますが、指示通りちゃんと使えば2ヶ月で目に見えて動きます。

ゴムの袋に描かれているイラスト

顎間ゴムの袋には分かりやすいイラストやマークがつけられており、メーカーによって異なるのですが、私が使用しているゴムはアメリカナイズされた動物のイラストです。別にイラストでゴムを選んでいるわけではないのですが、イルカは比較的かわいいと思います。

顎間ゴムのさまざまなかけ方

顎間ゴムは正しい使い方が明確に決まっています。矯正歯科医が顎間ゴムの力が目標とする方向にかかるようにフックをブラケットに取り付け患者さんが自分で出来るように鏡を見ながらかけ方を教えます。

また、顎間ゴムにはさまざまな力の強さがあり、先生の矯正治療の考え方、矯正治療システムによってよく使用される力のレベルが異なります。ちなみに当院では60gの弱い力のエラスティクスを良く使います。

治したい目的に応じて顎間ゴムのかけ方を変えます。ここでは表側からのゴムのかけ方を紹介しますが、裏側矯正でも力の作用はいっしょで違うのは表から掛けるか裏から掛けるかの違いだけです。

3級ゴム

日本人に多い受け口の矯正治療によく使うかけ方で上顎の奥歯から下の犬歯にかけます。このかけ方により上顎歯列は前へ、下顎歯列は後ろへ動いていきます。かけ方のコツは上の奥歯にかけてからゴムを離さないで犬歯にかけるとやりやすいですが自分のやりやすいかけ方でかけてください。

2級ゴム

白人に多い上顎前突(いわゆる出っ歯)の矯正治療によく使用されるかけ方です。先ほどの3級ゴムとかけ方が逆になっていますので、作用する力も逆になります。このかけ方により徐々に上顎の歯列は後ろへ下顎の歯列は前方へ動いていきます。

三角ゴム

犬歯や小臼歯部をよく咬んでいない場合に使用します。いくつかバリエーションがあってワイヤーのサイズが十分ならばV字にかける方法もあります。

台形ゴム

前歯が上下で咬まずに開いている開咬(オープンバイト)といわれるかみ合わせの治療や前歯の咬み合わせをもっと深くしたいとき例えば女性でスマイルラインを強調したいときにも使用します。

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