出っ歯の矯正歯科治療

出っ歯症例治療前・右・口腔内

出っ歯の特徴

出っ歯とは上の前歯が下の前歯よりも前に突出している状態で上顎前突とか2級不正咬合、あるいは口ゴボと呼ばれたりもします。出っ歯の患者さんの顔立ちは上の前歯が下の前歯よりも前にでており前後的なギャップがあるため口元がくちばしのように突き出ています。

重度の出っ歯は小児期にはボールが当たったり転んだりして前歯が怪我しやすくなります。統計的には上の前歯が下の前歯よりも6mm以上出ていると12歳までに約75%のこどもが前歯に怪我をするといわれています。

出っ歯の咬合や歯並びに関しては、上顎の6歳臼歯が下の臼歯よりも前にきている(2級関係)、上顎と比べて下顎が小さいなどの上下顎の不調和、前歯が前方へ滑り台のように傾斜している、上顎前歯に隙間がみられるなどがあります。

出っ歯のタイプ

出っ歯には単純に前歯が滑り台のように傾斜しているタイプの出っ歯と、下顎が小さく後退しているタイプの出っ歯があります。

出っ歯を治したほうがよい理由

出っ歯を治療すると、

  • 麺類をかみ切ることができる
  • 前歯のケガが減る
  • 笑顔や顔の美容面が美しくなる
  • 口が閉じやすくなり口呼吸を改善できる
  • 乾燥しにくくなるため歯肉炎や歯周炎になりにくくなる 

出っ歯の原因と治療法

出っ歯になる主な原因は、小児期に親指などの指しゃぶりの癖が長く続いたり、下顎が小さかったりして上の前歯の突出が目立って出っ歯になります。
指しゃぶりがある場合には取り外しの床矯正装置で指が入らないようにしたり、指しゃぶり防止専用の苦味成分(マヴァラ・バイターストップ)を爪に塗って指しゃぶりを思いとどまらせたりしていきます。

下の顎を前方で機能させる必要があるときには、小児期ではツインブロック装置などの機能的矯正装置で治療していきます。ツインブロック矯正装置は下の顎を前方へ移動させそこで習慣的に機能させ下顎の前方成長と前方での適応をさせるために使います。

成人矯正ではワイヤーや医療用ゴムバンド(エラスティクス)などを併用して治療します。抜歯や歯科矯正用アンカースクリューが必要になるケースもあります。

頸部筋・咀嚼筋のコントロールと下顎の前方移動

また、顔立ちの改善や術後の安定性を得るため、小児でも成人でも出っ歯を引き起こしている咀嚼筋や舌骨筋群などの緊張具合を改善する筋トレーニングとの併用が有効です。下に症例写真を載せてありますが、成人でも下あごの位置を前方へ移動させ筋・神経を適応させるといわゆる“あごなし”を非外科の矯正治療で改善することができます。

小臼歯を抜歯して治療する

下あごが小さいわけではなく平均的な位置にあって上の歯だけが滑り台の様に出ているタイプの出っ歯は抜歯矯正が必要なことも少なくありません。抜歯すると必ず口元が下がるため、口元の突出で悩んでいる方であれば有利な治療となります。抜歯する歯は多くは第一小臼歯で犬歯の一つ後ろにあります。治療方針で第二小臼歯が抜歯されることもあります。当院では口元を後退させたい患者さんに対してはほとんどの場合、小臼歯抜歯と歯科矯正用アンカースクリューを併用して口元を後退させていきます。

前歯が傾斜しているタイプの出っ歯の治療例

術前(ビフォー)

  

この方は上の前歯が出ている(いわゆる出っ歯)ことが気になるとのことで矯正治療を受診されました。前後的なギャップが大きく、口も閉じにくいとのことでした。前歯に多少のガタガタも見られます。奥歯のかみ合わせも全体に前に出ています。

術後(アフター)

  

上の歯が引っ込み、まっすぐに美しい歯並びになりました。奥歯のかみ合わせも正常なかみ合わせになって、患者さんは大変満足されています。

【本症例の概要と治療法、リスク、料金、期間について】
症例の概要と治療法:20代、出っ歯を主訴に来院。上下左右小臼歯抜歯、表側矯正装置で治療を行った。スライディングメカニクスでアンカレッジを確保しながら生理的な弱い力で歯だけでなく歯槽骨とともに矯正した結果ClassⅠ咬合を獲得した。
矯正治療のリスク:歯磨きがしにくくなる、歯根吸収が起きうる、装置が頬等に擦れて違和感が出る、食事に制限が入る等 詳しくは https://facetalk.jp/risk-orthodontic-tx/
費用:平均約100万円 詳しくはhttps://facetalk.jp/treatment-costs/
期間:2年程度

※矯正歯科治療は公的健康保険適用外の自費(自由)診療です。

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