矯正歯科治療を早く終わらせる方法と注意点

歯列矯正

矯正治療のスピードを上げるには大きく3つの方法があります。

  1. 患者さんの細胞の若さ
  2. 治療システムや矯正歯科医の技術・知識レベル
  3. 患者さんの協力度

年齢以上に細胞を老化させない

老化には自然な生理的老化と病的老化の2つがあります。生理的老化は生きていれば誰にでも起こるものですが、病的老化は防ぐことが出来ます。

現在、老化の主な原因と考えられているのが活性酸素です。タバコはこの活性酸素を体内に大量に発生させ病的老化が加速されていき、見た目もシワやたるみが増え年齢以上に老けて見えるのです。

細胞が年齢相応に若く保たれ新陳代謝能力が高いと成人の矯正治療でも動きが良くなるため治療は平均治療期間より早く終わることが多いです。私の経験では健康的な生活を送っている40代の成人患者さんでも大学生位の治療スピードと変わらないくらいの速さで動いていきます。

逆にタバコなどのあまり健康とはいえないライフスタイルを送っている患者さんは治療スピードが遅くなる傾向があります。治療スピードを上げるにはまず細胞を老化させないようなライフスタイルを送ることです。当院では日本抗加齢医学会の専門医の知識を生かして患者さんに抗加齢医学情報を提供し、ライフスタイルの改善に役立ててもらっています。

治療スピードを上げるさまざまな治療法

世界中で矯正治療のスピードを上げるためのさまざまな研究がなされています。外科的なものから非侵襲的なもの、はたまた装置に工夫を凝らしたものや新たな装置を加えたものなどさまざまあります。

コルチコトミー/ボーンパンチング

外科的なものにはコルチコトミーがあります。コルチコトミーは歯ぐきをメスで切り歯槽骨を露出させた後、皮質骨を歯科用の回転器具で削ったり穴を開ける方法ですがリスクもあります。外科なので感染リスクがありますし、切った歯ぐきに血流が十分保たれない場合には歯槽骨が痩せ歯ぐきが痩せ歯間乳頭が減りブラックトライアングルができるなどの審美的なリスクもあります。

一方、歯と歯の間に縦に3カ所程度穴をあけるボーンパンチングも歯の移動を加速させる方法です。コルチコトミーと比べ低侵襲で、どうしても動かない部位に限局して使用することも可能です。

歯科矯正用アンカースクリュー

また、現在の歯科矯正治療では日常的に歯科矯正用アンカースクリューも併用されます。歯科矯正用アンカースクリューも使い方によっては効率が良いかもしれません。例えば前歯を最大限に下げたいときなど歯科矯正用アンカースクリューを使用することで非常にシンプルなメカニクスにできますし、患者さんの協力度を減らすことで安定して口元を後退させることができます。

ローフォース・ローフリクション

非侵襲的に速く動かす方法として、摩擦を最小限にしつつ生理的な矯正力で治療するLow force & Low friction(LF2)システムがあります。この装置を使うと初期の叢生をほどくときが速いため、従来のシステムと比べると数か月早く終わります。

矯正歯科医の技術と知識

治療はシンプルなメカニクスで効率よく治療を行うことが治療スピードを上げることにつながります。ワイヤーをこねくり回していたり、調整時にやるべきことをすべてやらないで次回に回しているような治療スタイルですと自然と治療が遅くなります。そういうクリニックは治療が終わらないため患者さんが溜まって予約が取れないことが多いです。

患者さんの協力度

矯正治療は医療者側だけでなく患者さんにも協力してもらわなければスムーズに進みません。例えば口の中に使ってもらう矯正用ゴムを毎日使う、虫歯ができないように指導された方法で歯みがきする、装置が取れないように固い食べ物は避けるなど患者さんの協力度が高いほど治療は早く順調に終わります。幸い私のところでは協力度の高い患者さんが多く皆さん非常にスムーズに治療が進んでいますが、治療が早く終わるのは私を信頼して自己管理してくださる患者さんのおかげでもあると感謝しています。

早く終わる矯正治療の落とし穴

早く矯正装置を外したい気持ちは良く分かるのですが、気をつけなければならない点がいくつかありますので述べておきます。

治療基準を満たしていない

一番まずいのは最後患者さんの「早く早く」という希望に流されるまま強い力を使ったり、機能的・審美的治療基準を満たすことなく早く外してしまうケースです。

私が矯正歯科治療で絶対に急がないのは理由があります。特に抜歯して口元を後退させるときに強い力で引いたり速く動くような方は歯槽骨とともに平行移動せず内側に傾斜移動してウサギのようになるためです。繰り返しますが私は美しく仕上げたいので矯正治療を急いで行うことはありません。急ぐのではなく、やるべきことをすべてやり装置もメカニクスもシンプルで効率よいものを使っていると自然と早く矯正治療が終わるものだからです。そもそも急いで治療しても良い結果は残せません。

後戻りのしやすさも考えよう

終わったら装置を外しますが、終わってすぐに装置を外すと動かした歯の周囲の繊維や組織が安定していないため後戻りのリスクが高まることです。特に顎の移動や大きな歯の移動を行った場合には、すぐ外すのではなく数か月待ってから外す方が安心です。

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