笑顔と見た目が持つ社会的に得する効果

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私たちの社会は仕事のストレスをはじめ、悪いニュースが多い日などはいらいらしたり緊張したりして交感神経が高ぶる機会が多いものです。そんなストレスフルな社会で気分が落ちこんだりいらいらしたとき、おすすめの簡単な消方法を教えます。一つ目は深呼吸することです。深呼吸は気分を落ち着かせ、副交感神経を活発にしてリラックスさせる効果があります。二つ目はスマイルです。笑顔にはちゃんと効能があるのです。以下にストレスやいらいらで交感神経が優位になりそうなときに役立つ笑顔の3つの効能を述べます。

笑顔は他人の笑顔を引き寄せる

幸せなときやうれしいときには自然に笑顔になりますが、気分が落ち込んでいるときでもあえて笑顔をすることで他人から好意的な反応が得られます。このように笑顔は伝染するという性質を持っています。会話しているときに相手が笑顔で接してくれるといつのまにか自分も笑顔で話していることに気づくことがあると思います。

笑顔は気分を改善する

表情によって相手の話しかけ方が違ってきます。例えばうつむいて眉間にしわを寄せて歩いていたりするとだれも話しかけようとはしませんよね。これは「近寄らないで」というメッセージを表情から暗に発しているためです。嫌な事があったときにうつむいて怖い表情をしていては、ますます自分を落ち込ませることにもなります。つらいときこそスマイルを心がけることをおすすめします。なぜなら笑顔はスマイル時に使う表情筋を動かすことで脳に「幸せ」という信号を送り、落ち込んだ気分を改善する働きがあるからです。いつまでも落ち込んでいるよりも早く立ち直ったほうがより建設的に行動できるものです。

笑顔は免疫力を高めてくれる

笑顔の回数が多い人は体の中にインターフェロンというたんぱく質が増えます。インターフェロンは免疫力を高めてくれますので、笑顔が多い人は感染症やウイルスなどの病気にかかりにくくなります。また、副交感神経を優位にしますから、気分はリラックスして血圧が下がり、血糖値が下がり、活性酸素も抑えられアンチエイジング効果もでてきます。

見た目が良いと得する

心理学者のナンシーエトコフはその著書「なぜ美人ばかりが得をするのか」の中で見た目の影響力は少なからず物事を有利に進めるパワーを持つと述べています。

そのことを確かめる実験がいくつか行われました。空港に大学の願書を置き忘れたという設定で、置忘れを届けてくれるのはどんな人かを調べました。どの願書も内容は同じでしたが、張ってある顔写真が違っていました。人々が送り届けてくれる率が高かったのは見た目のいい学生の願書だったのです。

もうひとつの実験では75人の男子大学生に見た目が良い女性に次のことを行えるかどうかをたずねました。

  1. 家具を動かすのを手伝う
  2. お金を貸す
  3. 血液を提供する
  4. 溺れそうな彼女を1.5キロ泳いで助ける
  5. 火事の家から助け出す
  6. 手投げ弾から身を挺して守る

その結果、これらのうち2のお金を貸す以外は行うだろうとしました。

また、見た目の良い人は議論でも相手を説得しやすく、その好意的に物事が回っていく好循環の中で自己暗示的に自分に力があると感じて自信がつき、前向きな行動になるということです。矯正治療の臨床でも歯並びや受け口で人前で笑顔が苦手になってしまっている患者さんを治療してあげると笑顔がきれいになるのはもちろんですが性格が明るくなったと感じたり、お化粧もうまくなっているのを見たりします。これは矯正医としても非常に嬉しく、やってて良かったと思う変化です。

さらに興味深いことに、見た目が良い方は警察から容疑をかけられることも少なく、取調べを受けても告訴され有罪になる確立が少ないということです。警察官も見た目を考慮して「この人にそんなことができるだろうか?」と考えてしまうのだそうです。

このように見た目の良さは周りの人々から善意を引き出し、世の中のあらゆる局面で有利に働きます。この有利さの程度は小~中程度ですが+αのパワーとしてはとても大きいと思います。

顔立ちを整えるための矯正治療

矯正歯科の歴史を見てみると、矯正歯科学において、そもそも歯並びを整えることは一つの目的に過ぎないことがわかります。約1世紀前、矯正歯科学の父といわれるアメリカのEdward Angleという先生は、こんな言葉を残しています。 「・・・相対的な芸術に、そしてとりわけ人の顔に関する芸術について熱心に興味を持つべきだと思う。なぜなら、そのような一つ一つの勉強が顔についての美しさまたは醜さ、調和または不調和、完全または変形なのかを知るのに役立つからである。したがって芸術は一生を通して学ぶべきものの一つである」。 特に最近の矯正歯科治療では歯並びを治すことを主な目的としている傾向が見られますが、矯正治療では顔の審美性を高めることがもう一つの大事な目標だったわけです。顔の審美性を高めるための技術や知識はAngle先生の時代には考えられなかった進歩をとげています。もしAngle先生が今も生きていたら、芸術を臨床に落とし込めないでいる今の矯正歯科業界を悲しむことでしょうね。

このように顔の審美的バランスは歯並びの美しさと同じように重要な目的なのですが、それには、矯正歯科医自身が学習と実践を深いレベルで達成することが必要です。歯列不正の根本の原因が筋-骨格関係の不調和に関係している場合にはその原因を解消するため、顔の不調和を治療する積極的なアプローチをとることで美しい顔立ちが得られます。

見た目が若いと長生きする効果も?

見た目が若く見えるほど長生きするのでしょうか?私たち医療人は見た目(視診)を重要な判断指標としていますが、実際に見た目で健康度を判断できるのか明確な答えがありませんでした。上の写真の左側は右側の顔に比べて見た目が若くみえます。どちらが先に亡くなると思いますか?答えは、遺伝子が一緒なら先に亡くなるのは右側の見た目が老けてしわやたるみが多いほうなのです。70歳以上の913組の双子の見た目と寿命を調査したところ、見た目が老けて見えれば見えるほど先に亡くなることがわかりました。これは、遺伝子が同じなら生活習慣が寿命と健康に大きな影響を持ち、見た目にも表れてくると言う事を意味しています。見た目が若いほど長生きするというのはこれからの常識となるでしょう。

まとめ

笑顔は自然な笑顔が一番ですが、つらいときにはあえて笑顔をすることも有効なのです。この記事で述べた効果には次のようなものがあります。

  1. 笑顔には好感される反応を引き出して対人関係を改善する作用があります。
  2. 落ち込んだ気分を解消していらいらからの立ち直りが早くなります。
  3. 免疫力を高めて風邪などの病気にかかりにくくします。

参考文献

  1. なぜ美人ばかりが得をするのか ナンシーエトコフ 2000年出版 草思社
  2. TWIN BLOCK FUNCTIONAL THERAPY, William J. Clark. 2002 Mosby
  3. Christensen K ほか BMJ 2009より改変 http://www.bmj.com/content/339/bmj.b5262.long

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