授乳中・妊娠中の矯正歯科治療について

妊娠中の矯正治療

30歳前後の女性の矯正治療

人生のイベントが立て続けに起こる30歳前後の女性にとって歯並びや噛み合わせの矯正を行う際に注意すべき点が結婚・妊娠・出産・授乳です。

結婚式はどうする?

まず、結婚式ですが写真を撮影する際に装置や抜歯スペースが見えないようにしたいと思うはずです。抜歯スペースが見えていやだという方にはシェルというプラスチックの板を隣の歯に接着して抜歯スペースが見えにくくする処置もあります。

結婚を控えた方であれば装置が見えないことは大きなメリットですので、結婚が決まっている方は矯正治療の開始時期を結婚式の後にするか、上だけでも裏側(ハーフリンガル)にして始めると写真を撮るときなどで装置やワイヤーが見えて困ることが少なくなります。

矯正治療途中で妊娠した場合

矯正治療中に妊娠された方はクロルヘキシジン入りのうがい薬を使って妊娠中の口腔内衛生状態を高く維持するようにしながらそのまま矯正歯科治療を進めても大丈夫です。

妊娠しているとできない処置がある

妊娠されている場合は胎児への影響を考えて局所麻酔の注射をや各種の飲み薬を避ける必要があります。例えば抜歯や歯科矯正用アンカースクリューを妊娠中に行うと痛みどめの薬や抗生物質を服用する必要が出てきます。

多くの方が妊娠中も矯正歯科治療を継続していますが、つわりがひどいときなど体調がすぐれないときは無理せずお休みしながら通院してください。通常、妊娠したからと言って矯正装置を外す必要はないです。

授乳中に矯正治療を開始する場合

産後で授乳中の方が矯正治療を始める時に気を付けることとして母乳への薬剤移行があります。現実的には産婦人科の先生に聞いて大丈夫なら投薬します。なお、生後半年ほど経つと乳児の肝臓や腎臓などでの解毒機能も発達してきますので比較的安全とされています。

より詳しく授乳と薬のリスクについて知りたい方は下記の国立成育医療センターに問い合わせて相談してみると安心されると思います。国立成育医療センターHP内 「ママのためのお薬情報」 http://www.ncchd.go.jp/kusuri/lactation/index.html

矯正治療と妊娠・出産に関する不安に対する回答

産婦人科の先生から歯ぐきが悪くなる可能性があると言われ不安

妊娠中は女性ホルモンであるエストロゲンが多くなります。口の中にはエストロゲンを好む歯周病菌がいるため歯ぐきが腫れやすくなります。歯周病のように口腔内衛生状態が悪い方の出産は早産のリスクがあがると報告されていますので妊娠中の矯正治療でも歯のクリーニングをして清潔に保ちましょう。

歯茎がやせていくような気がする

妊娠中には十分なカルシウム摂取を心がけましょう。カルシウム摂取が十分でないと場合には妊娠や授乳自体が歯を支える歯槽骨を減少させる可能性があります。

(参照:KAKEN 妊娠及び授乳が歯周組織に与える影響を画像解析と組織学的解析を用いて検討する http://kaken.nii.ac.jp/d/p/11771355

妊娠中に気をつける食べ物

神経系や口唇口蓋裂などの先天異常を抑制する葉酸を摂取しましょう。葉酸はその名のとおり葉物に多く含まれ、ホウレンソウに豊富に含まれています。あとは、ナッツ類にも葉酸は含まれています。できるだけ食べ物から摂取するようにし、どうしても不足しがちなライフスタイルを送っている場合には薬局で売られているサプリメントを摂取しても良いと思います。葉酸の摂取量についてですが、厚生労働省の基準で言うと推奨量は100μg/日です。

(参考:厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2010年版) http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/05/dl/s0529-4u.pdf

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