矯正歯科治療とMRI注意点まとめ

MRI

事故や人間ドックなどの検査で頭部のMRIを取る機会があると思います。その時に口の中にワイヤーやリテーナーが入っていたらどのような影響があるのでしょうか?

MRIの矯正装置への影響

MRIは強力な磁石を使用していますので原則として鉄などの磁石にくっつく金属(磁性体)があると以下の3つの問題が起こる可能性があります。

  1. 動く
  2. 熱くなる
  3. 画像が歪む

脳腫瘍や交通事故など重大な頭部のMRI撮影では上記の理由でワイヤーを外すことがあります。胸部や足など頭部以外の撮影ではMRIを取る現場の専門家に任せていますが装置までを外す必要は通常ありません。

動く

ステンレスのワイヤーが入っているとワイヤーがずれて頬に刺さることが考えられます。当院ではワイヤーを固定しないLF2システムで治療をしているため特にワイヤーが動くことが考えられますのでMRIを撮影する前にワイヤーを外して撮影が終わったらワイヤーを戻すようにしています。

発熱する

ステンレス製のワイヤーや金属の矯正装置が熱くなり触れている頬や唇の裏などに熱を感じることがあります。

画像が歪む

鉄などの磁性体金属に強く影響を受けるためその周囲が広くアーティファクトという不明瞭な画像になってしまいます。見たい部位が全く見えないリスクが高まります。

固定式のリテーナーは?

当院では固定式リテーナー(フィックスリテーナー)という細いワイヤーを前歯の裏に貼り付けますがこれを外してMRIを取ったことはありません。骨髄の免疫系の治療をしていて感染のリスクがあった患者さんだけは入院先の病院で外されましたが、感染すると命にかかわる病気だったからです。この固定式リテーナーは長くつけていればいるほど有効な後戻り防止装置ですので外すこと希望される患者さんは後戻りのリスクが高まるということを伝えたうえで外します。

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